いつの間にか10周年

11月下旬に発売される本の校了作業で一日終わってしまいましたが、今年の10月25日は会社を設立して10周年の日でした。特にお祝いもイベントもない静かな日曜日。でも、なんとかここまでやってこられたことに感謝しながら、その夜のワインをいただきました。



いつの間にか10年も経っていたなんてびっくりです。1ヶ月、3ヶ月、半年、時には数年をかけて取り組むプロジェクトの、目の前の締め切りにひとつひとつ集中していくうちに、時間が過ぎていたという感じしかないです。うれしさや充実感の方が多く記憶に残っていますが、もちろんいいことばかりではなく、体重が一気に7kg落ちるようなショックな出来事や、立ち直れないような失敗やピンチも何度かありました。でも不思議なことにそういう試練は、後から考えるとこれ以上ない良いタイミングで起こっていたと言えます。大小のピンチはきっと何かのサインで、次に進むためのヒントだったんだなと。周囲の人たちにもたくさん助けられて、おかげさまで今もこの仕事を続けることができています。


私はいったい何歳まで仕事をするのかな? 必要としてくれる人がいる限りやるんだろうな。そのためにはずっと健康で元気でいたいし、自分を磨いて、勉強も続けて、もっと喜んでもらえるアイディアやコンテンツや方法を提案できる人間になりたいです。


春からのコロナ禍、夏の終わりから秋にかけては家族の病気や愛犬の死が続き、平穏な日常、普通に過ごすなんでもない日々というものは、ある日突然終わるんだなと実感しました。でもこういうときも、大切なお客さまや夢中で取り組める仕事を持っていることに助けられたし、そんな自分は本当に幸運だと思いました。10年間会社をやってきて経験したこと、それから2020年という大変な年を過ごして、大きく小さく変わった部分ももちろんたくさんあります。でも、何があっても私のすべきことは続いていると思えることが、自分を支えてくれていることは変わらないんですよね。


時間のうえでも気持ちのうえでも何か区切りがついたような気がしていて、とても静かな気持ちで11年目をスタートしています。私が理想としている編集者は、いつも誰かに寄り添う伴走者であり応援団だと思っています。これからも、本づくりやコンテンツ制作、発信や表現のお手伝いを通して、才能ある人たちの伴走や応援をしていけたら本望です。穏やかなポジティブさと誠実さとちょっとしたユーモアを信条に、これからもひとつひとつのプロジェクトに集中していきたいと思います。


今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。


田村敦子