孤独な作業の先に

同業の友人が言っていました。「編集者って華やかな仕事だと思っている人がいることも知ってるけど、全然違うよね」。まったくもってその通りで、外に出る部分はほんの少し。一人で机に向かって延々と何かを手描きしたり、黙々とPCに文字を打ち込んだり、寝る直前まで何かを考え込んだりする仕事が、全体の9割くらいです。特に現在は入稿中の書籍が2冊と、レギュラーの広告の制作2本が重なっていて、朝から夜まで孤独な作業の連続です。2月は28日までしかなかったのに、労働時間がここ最近で一番長かったし。

締め切りのある仕事は、時間を早回しする作用があります。気がつくと1週間過ぎている。ごはんを食べた記憶がない。いかんいかん、心を亡くしている状態だったかも。でも振り返って、書いたメールや制作してきたものを見ると、そこにちゃんと心はあったようで、人ともちゃんと会話しているし、ロボットになってはいなかったみたいだ、と安堵します。


どんなに締め切りで忙しくても、コーヒーを淹れて、邪魔にならない好きな音楽をかけて、気分よく(願わくばサクサクと)仕事ができれば、私はそれでまったくオッケーです。仕事しているときは、自分が孤独だなんて思ったことはない。そんな時間を過ごしている自分をふと客観的に見ると、孤独な作業してるんだなーと思うだけ。


確かに作業自体は孤独。でもその先には必ず誰かがいます。私の提出する何かを待っている誰かが。同じように机の前で孤独な作業をしているかもしれない誰かが。焦りすぎて気持ちの余裕をなくしたり、作業時間が長く続きすぎて「あれ、いま自分、何やってるんだっけ?」と思ったりしたら、その先にいる人の顔を思い浮かべるようにしています。あの人が楽しみにしている。あの人が期待してくれている。あの人がジリジリしながら待っている。仕上がって完成したものを、きっとあの人が読んでくれる。


だから孤独な作業、嫌いになれないのです。