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夢と目標

今のところ月に1本のペースで掲載している「クリエイターズ・インタビュー」の中に、初め「実現したい夢や目標は何ですか?」という設問があったのですが、この聞き方はちょっとおかしかったなと反省しています。夢と目標は違うものだから、答えにくいですよね。まず、「あなたにとって夢とは?」「目標とは?」と聞いて、それぞれ定義してから、「ではその内容は何ですか?」と聞いたほうがよかったな、と思います。

日本語の「夢」という言葉にはもともと、「睡眠中に経験する現実ではない幻覚」、「実際にはありそうもない、あるいは過ぎ去った事柄」、「厳しい現実から逃避して楽しむ環境」など、現実(うつつ)の対立概念としての意味が先にあって、「かなえたい理想」という意味はなかったという話を聞いたことがあります。それは、英語のdreamの訳語とされてからできた、比較的新しい4番目の意味なのだそう。「夢のまた夢、はかない夢、かなわぬ夢、夢みがち、夢まぼろし、夢物語、夢の跡」などの使い方を並べてみると、なんだかちょっとペシミスティックです。言葉にするときはなるべく「夢をかなえる、夢を語る、夢に近づく」など、自分で「夢をどうする」という文脈で使えたらいいなと思ったりします。


話を戻し、夢をこの4番目の意味に限定して、私なりに定義してみると、こんな感じです。

夢=「こうなったらいいな」と思い描いている未来の理想像(やや抽象的で若干遠くにあるイメージ)

目標=その実現に向けて行動している、見据えた先のゴール(わりと具体的で、比較的近いうちに現実にできると信じているイメージ)


改めて自分自身に問いかけると、もちろん夢も持っているし、目標としていることもいろいろあって、そのことに思いを巡らせているだけで、なんだか限りなく楽しくなってきます(おめでたいのでしょうかね)。もし誰かがこの質問に答えてくれると、その希望の世界を少し覗かせてもらうようで、話を聞くだけでもワクワクしてくるのです。


大きな夢でも小さな目標でも、それを胸に抱いて毎日を生きていれば、必ずそこに近づいていけると私は思っています。だから、そういう考えで人生を歩いている人がとても好きです。今より何かが少しでも前に進むように。そう思って毎日を生きている人は優しくて勇気があり、ネガティブな出来事や条件があったとしても、そこに過度に気を取られすぎず、自分なりのバランス感覚を保ちながら、目指す方向に淡々と歩き続ける潔さや涼やかさがあります。意外にも、あまり暑苦しくないんですね。


みなさんの夢と目標は、それぞれ何でしょう?


自分の信じる道を歩いている人の話を聞くのはとても楽しくて、このインタビューも実は毎回少しずつ原稿が長くなってきています。ウェブ記事なので、簡潔にわかりやすくすることを心がけていますが、どうですか、大丈夫でしょうか? 6月は1回お休みになってしまいましたが、また来月から続けていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

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