串は、寄り道の中にある
先週、いろいろできる方の悩みと、散らばって見える活動を貫く「一本の軸」のお話をしました(→「いろいろできる、という悩み」)。「軸が大事なのはわかった。でも、それをどうやって見つければいいの?」と思われた方もいるかもしれません。

軸を探そうとすると、いろいろな壁にぶつかります。何が軸なのか、自分ではさっぱりわからない。自分にとっては当たり前のことばかりで、とても価値があるとは思えない。したいことも、できることも多すぎて、頭の中がごちゃ混ぜになっている。一人で考えるほど、堂々めぐりになる。
どれも、とてもよくわかります。私自身、8年ほど前までは「自分は編集ができるだけで、人に教えられるものはない」と思っていました。ところが、お客様や仕事仲間から、「それ、どうやるんですか?」「作り方を教えてほしい」と何度も聞かれていたのです。自分には当たり前すぎて、それがニーズだとは気づいていませんでした。
私がお客様の軸を見つけるのは、これまでの経歴や、今の道につながる歩みのエピソードを聞いているときがいちばん多いです。
軸のヒントは、一見「寄り道」に思えるキャリアや経験の中に、よく隠れています。本人は「遠回りをしてしまった」「一貫性がない」と思っていた道です。その話と今の仕事を並べると、その人のオリジナリティ=その人にしかできないこと、その人にしか言えないメッセージが見えてくることが多いです。
この道にたどり着くまでには、こういう経緯や思いがあったから。寄り道にも必ず理由があります。過去、現在、未来を、一つの流れとして俯瞰して並べてみると、一貫性のない人なんて、ほとんどいません。バラバラに見えていた点が、一本の線でつながります。
「この軸はまっすぐで、とても強いものですよ」と伝えると、皆さん、とてもうれしそうな、ホッとした顔をされます。寄り道だと思っていたものが、実は自分を支える強みの一部だったとわかる瞬間です。
軸は、新しく作る必要も、探し回る必要もありません。あなたの歩んできた道の中に、もうあります。ただ、自分のことは近すぎて見えにくいだけなのです。
この週末、もし少し時間があれば、紙に年表を書いてみてください。過去から今、そしてこれから、という流れで、思いつくままで大丈夫です。そして、「寄り道だったかな」と思う出来事の横に、「どうして、それを選んだのか」を、一言添えてみてください。
遠回りに見えた道が、思いがけず、一本につながるかもしれません。
あなたの「寄り道」には、どんな理由がありましたか?
どうぞよい週末をお過ごしください!




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