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一冊を奏でること

来年4月発行予定のお料理の本の撮影が、先週スタートしました。写真はすべて取り下ろしで、7日間予定している撮影スケジュールのうち、年内に3日分を完了。年明け1月に3日間、2月に入って1日、撮影が続きます。

撮影中の短い休憩時間のテーブル。料理写真に添えるイメージカットのために、デザイナーのWさんはモデル役も引き受けてくれました。

著者の先生と本作りをご一緒するのは2度め。本当に長い間コンセプトを温めていたのですが、ようやく機が熟し、この秋に企画制作が決定しました。制作が始まってから先生がよく「今、頭の中は○○○(テーマとなっている料理)でいっぱい!」とおっしゃっていますが、それは私も同じで、昨日も一日中、全体構成ラフを練っていました。それが楽しくて楽しくてしかたなくて、気がついたらまた日が暮れていて、すっかり犬の散歩を忘れてしまっている始末(ひどい飼い主だなぁ、わんわん)。


著者とカメラマンとデザイナー、三者とも初顔合わせのみなさんだったのですが、ご紹介して2分後には本題に入っていたという働きマンぶりが、全員ちょっと似たタイプです。本のコンセプトを写真とブックデザインで表現するにあたり、先生と私で話し合ったことを二人に伝え、「こんな方向性で作ろう」という話し合いをした初日。たくさんの素晴らしい料理書を撮影しているカメラマンのMさんが「制作コンセプトや表現の方向性がこんなに腑に落ちたのは久しぶり。早く撮りたい!」と言ってくれました。


読む人に喜んでもらえる良い本にするために、著者の持っている世界を、同じ目的に向かって、自分の専門分野でベストの形にして提示する。この共同作業が本当に好きで、みんながベストの力を出せるように尽力したい、といつも心から思います。そしてこの現場はバンド活動に似ているよなぁ、とやっぱり思うのです。リードヴォーカルにバックコーラス、ギターにベース、ドラム、キーボード、みんなの演奏で快いリズムに満ちた一冊を仕上げられたら。制作進行については、折々こちらでご報告していきたいと思います。

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