向かいの座席で
- 2 日前
- 読了時間: 3分
先日、電車に乗っていたときのこと。あまり混んでいない時間帯で、向かいの座席にぼんやり目をやったら、なんだか懐かしい感じがしたのです。よく見ると、7人掛けの座席に座った人のうち、4人が本を読んでいました。紙の本を、です。

最近の電車といえば、たいてい皆、見ているのはスマホ。全員がスマホということも多いし、数人がうとうと眠っていて、1人は手鏡を見てメイクしていて、あとの人はスマホ——そんな光景がすっかり当たり前になっていました。
だから、7人中4人が本を開いている車内は久しぶりに見る風景で、何かタイムスリップしたような感覚にとらわれ、しばらくぼーっと眺めてしまいました。
そしてなんとなく、これは良い兆候かもしれないな、と思ったのです。根拠はなくて、ただの勘です。でも、本を読む人がまた少し増えているのだとしたら、ちょっと嬉しいな、と。
ところで、皆さんは1ヶ月に何冊くらい本を読みますか?
正直に告白すると、私はめっきり減りました。会社員だった頃は、通勤の往復がまるごと読書の時間で、月に10冊くらいは読んでいたと思います。電車の中は、強制的に本と向き合える貴重な時間でした。
ところが独立して通勤がなくなったら、その「強制読書タイム」も一緒に消えてしまいました。気づけば今は、月に2〜3冊がやっと、という有様です(編集者がこれではいけませんね)。
しかも、本の選び方も我ながらちょっとつまらないんですよね。人に勧められたから、仕事に役立ちそうだから……そんな現実的な理由で買うことが多くて、手に取る範囲も、すっかり狭くなっている気がします。
ふらりと書店に立ち寄って、目的もなく棚を眺めて、「なんだか気になる」というだけの理由で数冊連れて帰る——以前は普通だった、そんな出会い方のほうが豊かでしたね。Amazonで手軽に買えるのも便利だけれど、あの寄り道の時間こそ、実は大事だったんだな。向かいの座席の4人を見ながら、そんなことを考えました。
皆さんは最近、どんな本を、どんなふうに選んでいますか? しばらく本屋さんに行っていないなと思ったら、この週末、ふらりと立ち寄ってみるのはいかがでしょう。目当てのない棚の前で、思いがけない一冊と出会えるかもしれません。
私も、地元西荻窪の駅前に、すごく頑張っている老舗の本屋さんがあるので、明日久しぶりに行ってみようと思います。
来週は、さっきふと思い出した、本にまつわる少し個人的な話を書いてみようと思っています。学生時代に読んだある短編小説と、21歳の自分が綴った文章をめぐる、時を越えた後日談です。よかったら、来週もお付き合いくださいね。
どうぞよい週末をお過ごしください!




コメント