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30万部でも、30人でも

5 分前
読了時間: 3分

「発信は、頻度も読者数も反応も高い方がいい」。

 マーケティングの世界では、よくそう言われます。たくさん投稿し、たくさんの人に届け、反応の数を増やすことが大切。それができないと埋もれてしまう、と。

 

ある時期は、大量行動が成果を生むのも真実です。でも、「数が出ないと埋もれる」って本当でしょうか? 

 

Photo/Valeriia Miller
Photo/Valeriia Miller

私のところに相談に来てくださる方を見ていると、やみくもに数を追いかけている人は、実はほとんどいません。むしろ逆で、丁寧にいいものを届けたいと思っているのに、「もっと数を」と急かされて、少し疲れてしまっている。そんな方のほうがずっと多いです。

 

毎日発信しなくていいし、読者も多くなくていいし、バズらなくていい。そう言われると安心しますか? 本当に問うべきなのは、数ではないように思うのです。その前に、自分に必要なメディアを、誰向けに何を伝えるために、どんな内容で届けるかをはっきりさせることのほうが、ずっと大切です。

 

以前、一緒にあるメディアを立ち上げたクリエイターの方が、打ち合わせの際におっしゃったこと。「私が一番やりたいのは、このメソッドを必要とする人に届けて、役立ててもらうこと。これから制作するものはそのための手段でしかないです」。これ、本当にその通りなんですね。

 

構えより、コンテンツ。作ることより、使いこなすこと。伝えたい相手に必要なことを伝え、仕事に役立てること。メディアはツールでしかないけれど、正しく伝えて、人を動かすこと(心や行動を、良い方向に)が、メディアの役割なのですから。

 

マスメディアの対象は多いほうが評価されるけれど、マイクロ(パーソナル)メディアの対象は、特定の少数でも十分。逆にその方が、かえって効果的なこともあります。

 

私は、発行部数30万部の雑誌の記事を作るときも、数万ビューのウェブマガジンに寄稿するときも、30人ほどのクライアントに向けてクローズドの記事を書くときも、同じスタンスです。カッコつけてるように思われるかもしれませんが、読者が何人であっても、その人が「読んでよかった」と思い、ついでに気持ちや行動にも小さな変化があってくれれば、本当にそれでいいと思っているのです。

 

ちなみに「数が少なくていい」というのは、手を抜いていい、という意味ではありません。むしろ逆です。届ける相手が少ない分、一本の中身は、大きなメディアと同じかそれ以上に、内容が濃く、明確であるべきです。数の小ささは、密度の高さで支えるもの。「マイクロメディア」という言葉には、そんな矜持があるように思います。

 

その順番を間違えなければ、「数」はもうそんなに怖くなくなります。読者の数も、反応の数も、発信の頻度も、中身がしっかりしていて初めて意味を持ちます。先に数を追いかけるから、やることばかりが増えて、疲れてしまうのかもしれないですね。

 

多いか、少ないか。その手前で一度、問い直してみてください。今自分が届けたいのは何で、それは目的がきちんとあるものか。そこさえ定まっていれば、届ける相手は、100万人でも30人でもいいのだと思いますよ。

 

この週末は、次の一本の「数」を増やすことよりも、届け方や目的をもう一度意識して、いつもより少しだけ丁寧に。それだけで、あなたの発信は、静かに強くなっていくはずです。

 

どうぞよい週末をお過ごしください!

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