憧れのエネルギー

(2022年6月10日配信のニュースレターをこちらにも掲載します)


こんばんは。エディターの田村です。

今週はどんな一週間でしたか?

インテリア誌やライフスタイル誌の

編集者をしていたおかげで、

たくさんの住まいや暮らし関連のプロと

取材や企画や商品づくりで

ご一緒する機会がありました。

何かの機会でそういう方々に

この道を目指したきっかけを尋ねると、

皆さん必ず、素敵なエピソードをお持ちです。

とても親近感の湧く、笑顔になる話。

自分では忘れていたけれど、

確かにこれいい話だよね、という話。

小学校の家庭科で間取り図を作る宿題に

自分でも不思議なほどハマった。

実家の建て替えで

好みの壁紙を選ばせてもらったのが

楽しくて、インテリアに目覚めた。

そういう話をしてくれた、

気鋭のインテリアデザイナーの方。

人気雑誌『non-no』の

ファッションページをすっ飛ばして

巻末の料理ページを

読みふけっていた少女は今、

テレビや雑誌で活躍する料理研究家。

幼い頃、積もった雪を

家の基礎工事のように固めて間取りを作り、

玄関から「ただいまー」と入って

廊下を通り、自分の部屋に行く動作を

一人、飽きずに繰り返した、と

雪国出身の建築家が話してくれた時は、

一瞬でその人のことを

好きにならずにいられませんでした。

「初対面の人と10分で打ち解けるには、

小学3年生の時の話をすればいい」

という話を聞いたことがありますが、

子ども時代や十代の頃の憧れが

今の仕事に(ちょっとだけでも)

つながっている、というエピソードは

その人らしい情熱や努力の歴史の

発端になっていることが多いです。

Photo/Jon Tyson

ちなみに、私が編集者になりたいと

思ったのは高校2年でした。

文化祭のパンフレットの製作委員会に参加したら、

取材やレイアウト入れ、入稿や広告集めなど

短期間に一冊を仕上げるための山積みの仕事を

めんどくさがり屋の先輩が

全部私にやらせるのですが、

それが不思議なほど楽しくて、

これが仕事だったらいいな、と思いました。


『mc Sister』や『Olive』など

当時大好きだった雑誌の

好きなページをスクラップして

下手くそなキャプションを書き入れた一冊が

まだ残っています。

(笑っちゃうほど恥ずかしい代物です)

インテリア誌の付録のマップを片手に、

原宿、青山、代官山、自由が丘へ

週末ごとにショップ巡りをしていた約十年後、

縁あって『雑貨カタログ』という雑誌の

編集部に入れてもらい、

そのマップを制作する側になりました。

自分の話が長くなりましたが、

何が言いたいかと言うと…

ちょっとしたきっかけと憧れのエネルギーが、

自分を現在地に連れてきた。

そう考えると昔の自分に励まされるというか、

つらいことがあってもがんばれる気がします。

励ましてもらったお礼に

今の自分から当時の自分に、

言葉をかけるならなんて言うだろう? 

今日は時の記念日。

時を超えて、昔の自分と

そんな会話をしてみるのもいいかもしれません。

どうぞ良い週末をお過ごしください!