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出版編集の仕事

(2023年8月25日配信のニュースレターをこちらにも掲載します)


こんばんは。エディターの田村です。 12月に出版される書籍の制作が 今週から本格的に始まりました。

老舗女性誌の発行元からの依頼で ある著名な先生の足跡をまとめる、 記念出版的な位置付けの企画。 編集部にアーカイブとして残されている 特集や連載の写真やテキストを、 テーマに沿って一冊の本に編み直すのが 担当エディターである私の仕事です。 決まっていたのは、 「2023年12月にこの先生の本を出したい」 「ここにある関連特集をを再編集して、 書籍全体の内容を考えてほしい」 ということだけ。 かなりざっくりしたオーダーでした。 章立てや構成を考えるのは 当然の仕事として、 今回は企画会議に提出するための 企画書も作ってほしいと 初めて会った編集担当の方に言われ、 実はちょっとびっくり。 (この場合、それはさすがに 社員編集者の仕事だと思うけどな) と思いましたが、 そこまで丸投げなのは 信頼してくれているからだと思い直し、 はい、作成しましたよ。 幸い、企画はすぐ通りました。 紙の本を作る時は すべてがデジタル作業ではなく、 アナログな手作業も ちょこちょこ入ってきます。 たとえば、ラフコンテ(本の設計図)作り。 編集部から届けられた特集の 分厚いカラーコピーの束から 使う写真を選び出して、 流れを作りながら コンテ用紙に貼り付けていきます。 デスクの上は、 紙とはさみとのりと鉛筆。 消しゴムのカスもいっぱい。 作ったコンテ用紙を床に並べて、 写真と文字のバランスも 俯瞰しながら調整します。 そういうイメージラフを アートディレクターに提出して、 全体のデザインを考えてもらいます。 テキスト作成作業も並行します。 新規書き下ろしの本ではないので、 元となる原稿があるんですね。 複数のライターさんたちが書いた 雑誌の特集っぽい文章を、 一冊の書籍として 違和感のない文章に直しながら、 編集してつなげていきます。 こういう地道な作業が 決して嫌いではないので、 やっていると ちょっとしたフロー状態になり、 気がつくと夕方になっています。 雑誌の特集を 書籍に編集し直す作業って、 たとえるなら 流行のおしゃれなニットを ほどいて一度毛糸に戻し、 長く愛されるデザインにする、 あるいは ヴィンテージテキスタイルの いいところを切り出し、 パッチワークのようにつなげて 新しくて普遍的なデザインにする、 ちょっとそんな作業にも 似ているような気がします。 この秋はワークショップの回数を 少しセーブして、 この書籍の仕事をやることにしました。 私がこれまで担当してきた中では 分野的に、かなり真面目な部類に 入る本になりそうです。 出版の話は 興味を持ってくださる方が多いので 制作の途中経過、また報告しますね。 どうぞよい週末をお過ごしください!


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