(2023年11月10日配信のニュースレターをこちらにも掲載します)
こんばんは。エディターの田村です。
実は現在、自宅事務所のリフォーム中です。
洗面室とトイレ、玄関と廊下、リビングの一部と範囲は狭いのですが、天井、壁、床、建具も設備機器も全てリフレッシュし、開き戸を引き戸に変更したりするので、それなりに大掛かりです。
工事開始10日目の今日は、建具工事がだいたい終わって、壁紙やペイントの施工が始まりました。Nina Campbellのマルチストライプの壁紙がFARROW & BALLのペイントカラーによく似合って、すでに気分が上がっています。
これからトイレに、きれいなブルーのイタリアの手作りタイルでカウンターを作ってもらい、自分なりに考えたテーマにぴったりだと思った、Sandersonの壁紙をアクセントに使う予定。
担当デザイナーの方と半年かけて考えてきた、ワクワクのディテールが一つずつ実現しています。
いろんな種類の工事があるので、日替わりでさまざまな分野の職人さんが代わる代わる来て
作業を進めてくれるのですが、 この職人さんという方々が私は昔から本当に大好きで。
職人さんの仕事が始まると「作業、後ろで見ていていいですか?」とつい声をかけて、手元をじっと見てしまいます。
ある分野を極め、自分の手一つでコツコツと何かを作り上げる技術を持ったかっこいい人たち。実直で質実剛健で寡黙だけど、質問するといろんなことを惜しみなく教えてくれる、親切な人が多いですよね。
インテリア雑誌の編集者時代、ある職人の親方を取材したことがありました。
かなり年配の方でしたが、私が職人さんに並々ならぬ興味を抱いていることを知り、取材が終わってからもご自分が教えていらっしゃる専門学校の見学に招いてくださったり、若い職人さんのお話を聞かせてくださったりしました。
親方がよく言っていたこと。
「職人は、いいものを作ろうという気持ちが一番強くて、他のことはあまり考えないやつが多い。もっと技術に見合った地位や報酬を得てほしいと思うんだけど、自分も含め、なんかそのあたり無欲なんだよな」
ものづくりの人特有のその感じ、ちょっとわかる。そういうところも好きで、応援したくなる理由です。
いつもクリエイターの傍にいるエディターの仕事を通して、ものを作り出す人への共感と尊敬と憧れはさらに大きくなりました。
いつも根底にあるこの思いを、自分なりの方法で昇華させていくことができたら。
黙々と作業を続ける職人さんの背中を見ながら、そんなことを考えました。
どうぞよい週末をお過ごしください!
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