(2024年6月21日配信のニュースレターをこちらにも掲載します)
こんばんは。エディターの田村です。
ワークショップで参加者とプロフィールを作っていると、例えばインテリアのプロの方が、幼い頃から部屋の模様替えが趣味で、チラシ広告の間取り図を見るのが好きだったり、料理のプロが、お母さんの本棚から雑誌の料理記事をスクラップしていたりと、興味や才能の萌芽を早くから自覚している方が多いことを感じます。
一度別の仕事についても転職して今につながる道を選んでいる話などを聞くと、やはり憧れの力は大きく、クリエイターの方々って特に好きを持続させ、叶える力が強いんだなと思います。
ちなみに私が幼少期になりたかった職業は、獣医さんでした。犬や猫が平気で捨てられていた昭和の時代に神奈川県の郊外で育ち、両親は特に動物好きでもなかったので、飼うのを許してもらえず、勝手に近所の森の中の秘密基地で捨て犬や捨て猫の世話をして、よく叱られていた小学生でした。
病気で死んでいく猫を見たり、家に連れてきた子犬を自分の不注意で死なせてしまったことがあったりして、動物のお医者さんに憧れたわけですが、中学2年で理系科目の才能がないことを悟り、また動物が死ぬたびにショックを受けそうな自分には無理だと断念しました。
次になりたいと思ったのは、イラストレーターと絵本作家。本の挿絵を描くという職業に憧れて、自分で製本して絵本を作ったこともありますが、まぁ自己満足の超下手な作品でした。
美大に行けばなれるかな?と思って、高校では美術部に入ったのですが、そこで美大を目指す先輩や同期が描く作品を見て、もう全く才能のレベルが違うなと感じ、1学期で断念。
以降は文化祭などのイベントで彼らを宣伝する媒体を作ったり、プロデュースしたりする立場に回りました。今考えるとこれが編集者という職業を知ることにつながっていくので、面白いものですよね。
小さい頃の夢に、どんな志向性や好きの要素が入っていたのかを別の視点で見ると、実は少し形を変えて、仕事の中で、あるいは別のところで叶っていることが意外と多いようです。
私は獣医さんにはなれなかったけど、いつも犬と暮らしたかった夢は、30年以上犬を飼っていることで叶えられています。イラストレーターや絵本作家にはなれなかったけど、絵の才能のある方々と一緒に働く機会はたくさんあり、本や雑誌を作る仕事に長く関わることができました。
周りでも、そういう例はたくさん見ます。歌手になりたかった妹は、週末にアマチュアバンドのヴォーカルとして活動しています。早起きしてブルートレインを撮影していた男の子は、カメラマンになりました。執筆に集中する時は海外に滞在する村上春樹さんスタイルに憧れていた大学の友人は、世界中を旅しながら「俺、どこでも仕事できるよ~」と嬉しそうです(何をやっているのかは知らない笑)。
仕事以外にも、自分の憧れが叶えてくれたライフスタイルって、皆さんにもきっとありますよね。クリエイティブな才能と若い頃から持ち続けている憧れや志向性を掛け合わせたところで、仕事や趣味を楽しむ人生、なかなかいいものです。
どうぞよい週末をお過ごしください!
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