白樺の樹液のソルベ
- 6月19日
- 読了時間: 3分
更新日:6月27日
北海道の余市と石狩に来ています。
3月のイベントを一緒に担当した仕事仲間2人とのお疲れ様会を兼ねた旅のつもりだったのですが、一緒に来ているメンバーのエネルギーの高さゆえか、訪れる先々で出会う方々と新しい仕事のアイディアが生まれ、急遽視察に参加させてもらえたり、食事会が企画会議の様相を呈したりと、気づけば仕事のような遊びのような、不思議な数日になっています。(写真は余市のワイナリー。まるでブルゴーニュやナパ・ヴァレーのぶどう畑にいるような錯覚に陥りました)

今回のご縁はすべて、今は大学で日本語を教えている友人の祖父江カースティさんから始まりました。彼女とは20年ほど前、インテリア雑誌の英国取材のコーディネートをお願いして以来の付き合いです。3月にお手伝いしたイギリス人向けのキュリナリー・リトリート・ツアーで、久しぶりに一緒に仕事をしました。
もう一人は、その際にもご一緒したイベントプロデューサーの薄井美奈子さん。実は私のワークショップとサポートを受けてくださった方なのですが、カースティさんとイベントの仕事で意気投合して以来の仲良しだったと知って驚きました。そんな不思議な縁の二人と一緒に、余市・石狩を巡る旅になりました。
カースティさんが案内してくれたのは、食とワインを楽しめるホテル「余市Loop」。ソムリエの倉富 宗さんとシェフの成田汐哉さんが、お料理とワインを提供する際に、素材や生産者の方のエピソードを一つ一つ丁寧に語ってくださいました。ストーリーも味わいの一つ、と考えていらっしゃるようでした。
食後、ソムリエとシェフと少しお話をする時間がありました。その際に、「ワイン畑を案内しましょうか」という流れになり、薄井さんが「ここでこんな演出をしたら?」とアイディアを次々に出し始めました。皆さんの目がどんどん輝いていって、次回はこんな企画をやろう、という話が、その場でほぼまとまっていきました。

成田シェフは、料理のアイディアを考えるとき、森に行くのだそうです。きのこや山菜を採りながら、森の香りを嗅いで感覚を研ぎ澄ませる。そうしているうちに、着想が自然に湧いてくるのを待つのだと話してくれました。
心尽くしのコースの真ん中にひっそりと置かれていた一品、お口直しの「白樺の樹液のソルベ」を一口食べた瞬間、森の中で深呼吸しているような感覚になりました。大袈裟でなく、味というより、その時間ごと味わっているような印象です。シェフが森で過ごした時間や、感覚を研ぎ澄ませる過程まで、まるごと一緒に運ばれてくるような一皿でした。
ストーリーを知ってから何かを味わうのって、本当に特別です。同じ一皿でも、背景を知っているかどうかで、感じ方がまるで変わります。リアルに会って話すと、物事が動くスピードが全然違います。
PCの前での思考や作業や対話だけでなく、実際に場所を移動して、知らない世界、新しい人たちに出会うことも大事にしたいと改めて思いました。

日本にはまだまだ、私の知らない素晴らしい場所がたくさんあって、そこでは才能のある素敵な人たちが働いているんだろうなと思います。目の前の仕事やAIの進化ばかりに気を取られていないで、五感でしっかり感じられる、人との関わりの中でしか得られない素晴らしい世界の進化にも、きちんと触れ続けていきたいと思った次第です。今回出会った方々のストーリーも、いつかちゃんと言葉にして残せたらと思います。
どうぞよい週末をお過ごしください!




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