クリエイターズ・インタビュー:丸山佳枝さん(フィンガーフード・スペシャリスト)

今回は、日本フィンガーフード協会代表理事の丸山佳枝さんをご紹介します。数ある料理分野の中からフィンガーフードに着目、1000以上のオリジナルレシピを考案し、その普及に努めている丸山さんは、作り方の基本から実際のビジネス化までのノウハウを伝授するスクールでプロの育成に携わるほか、食品業界とのコラボレーションや海外のレストランへのレシピ提供、企業向けのケータリングビジネスなど、フィンガーフードに特化した活動の範囲をさらに広げています。好評発売中の新刊『THE FINGER FOOD BOOK 手軽につまめる小さなごちそう フィンガーフード』は、丸山さんのフィンガーフードに関する初の著書となります。

東京・目黒のクッキングサロンにて。撮影/千葉 充

今回出版された『THE FINGER FOOD BOOK』には、どんな思いを込められたのですか?

一部の愛好家にはよく知られているフィンガーフードですが、もっと広く一般の方々に知ってほしい、というのが出版の動機です。フィンガーフードとはどういったものなのか、こういった食のジャンルがあるということはもちろん、自分には作れない手間のかかる料理だと思い込んでいる方々に、意外と簡単に作れるんだと気づいてほしいという思いも込めています。もちろん、すべてが超簡単というわけではなく、それなりに手間のかかるものもあるのですが、普通のお店で手に入る材料や、冷蔵庫や食品庫に常備している食材を組み合わせて作れる点についても気を配りました。

本のまえがきにも書かれていますが、丸山さんがフィンガーフードの世界に魅了されたきっかけは、「いろんなものが食べられる小さな料理があればいいのにと思った」ことだったそうですね。

そうなんです。本当に最初の頃は、小さい器に料理を盛り付けて喜んでいました(笑)。そこから、器を使わずに独立させて並べたときにどうすれば美しくなるかを考え続けて、いろいろな組み合わせを編み出していきました。

今回の本の中には、技法別にフィンガーフードの作り方を解説した章があって、薄くスライスした野菜を巻いたり、カップ状にした食材を使ったりと、楽しい方法がいくつも紹介されています。

小さく握ったごはんに具材をのせるお寿司や、ピックで刺すピンチョス、バゲットにのせるカナッペなどは、みなさんご存じのものばかりですが、フィンガーフードの技法として考えると、幅広く多彩なレシピに応用できます。さまざまな使い方のできるサンドウィッチ用のパンを使ったレシピについても、かなりページを割いています。



フィンガーフードには、華やかなパーティフードということ以外に、注目すべき側面があるそうですね。

はい、彩りも味わいも豊かなひと口サイズを作るために、さまざまな食材を組み合わせるので、栄養バランスに優れているということがひとつ。それから、ご高齢の方や病気などで食が細くなった方、好き嫌いのある小さなお子さんなどにも、小さくて食べやすくカラフルなフィンガーフードは喜ばれます。また食事制限のある方のために、低カロリー、ベジタリアン、ヴィーガン、グルテンフリーなどのメニューにも対応できます。

フィンガーフード協会や講座には、どんな方が集まっていらっしゃるのですか?

東京・目黒のサロンには、生徒さんが日本全国から講座を受けに来てくださっています。地方で多いのは名古屋、大阪、北海道ですね。今、はるばる通ってくださっている韓国人の方もいらっしゃいます。鎌倉校では一時帰国中の海外在住者向けに短期集中講座を開く予定で、すでにロサンゼルス、フィレンツェ、北京からお申し込みいただいています。また、インスタグラムのフォロワーの方が6800人余りいるのですが、投稿を見て「こんなに可愛い料理があるなんて、こんな料理の見せ方があるなんて知らなかった。しかも自分で作れるんですね」という感想をよくいただきます。そこから入ってきてくださる方もいます。

丸山さんのインスタグラムはこちら

やはり、もともと食に興味があって意識も高い方が多いのでしょうね。

お料理の好きな人はもちろん多いのですが、好きなことを仕事にしたい、何か目標がほしいと思っているミセスの方に、フィンガーフードの世界は特に支持されていると感じます。私は代表として、夢や目標を持てるようなお手伝いもしたいと考えています。自分の夢がまだ漠然としていた生徒さんが、目的を持って行動し、評価や報酬を得ることで、自信やプロ意識も得て、成長していく姿をたくさん見てきました。のんびり生きていくのもいいけれど、みなさん本当は目標を欲しているんじゃないかな、と思うんです。「今のままでも幸せだから」「もう年だから」って、自分に言い聞かせて思いを抑え込んでいるのだとしたら、とてももったいない。才能もセンスもある方々がたくさんいらっしゃるので、さぁ奥さま、長い自分探しから目を覚まして、プロになりましょう!と言っているのが私かな、と思ったりします(笑)。

では、丸山さんご自身が、仕事をするうえでいちばん大切にしていることは何ですか?

今言ったことと重なりますが、プロ意識です。いろいろな分野や立場の方がお客さまなので、相手の求めているものは何かを常に考えながら、コミュニケーションを大切にしています。相手が企業